日本ケミカルバイオロジー学会 第18回年会 The 18th Annual Meeting of Japanese Society for Chemical Biology

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ご挨拶

日本ケミカルバイオロジー学会第18回年会が2024年5月27日(月)~29日(水)の3日間、星薬科大学(東京)にて開催されます。

化学は元来、生活を豊かにすることが出来る学問体系です。古くはナイロンや合成ゴムなどの発明により世界は大きく変わり、その後も様々な化学的なアプローチによって生活は豊かになり、現在では身の回りを眺めてみたとき、スマホでも衣服でも化学を使っていないものを探す方が難しい時代となっています。

その中でケミカルバイオロジーとは、化学と生物学の境界領域で展開される新しい学問分野です。化学的手法や分子を用いて、生命現象のメカニズムや制御を解明したり、生物学的システムに介入したりすることを目指しています。さらに対象を動物やヒト患者さんに広げることも可能であるため、ケミカルバイオロジーは基礎科学としてだけでなく、医学や薬学などの応用分野にも大きな貢献が期待される学問で、さらに豊かで安全・安心な社会の実現に資することが大きく期待される学問です。

ケミカルバイオロジーは1990年代~2000年頃から徐々に世界的に認知が広がったまだ若い学問分野ですが、日本は元来、化学と生物に跨がる研究において世界をリードする成果を上げていました。近年の世界的なケミカルバイオロジー研究の広がりを受け、各国で本分野の学会が立ち上がっていますが、日本ケミカルバイオロジー学会は、前身の研究会が2005年に創立されるなど、世界の中でも早くから学会組織が構築され、国内・国際シンポジウムの開催を通じて、研究交流を深めることができる学会として活動してきました。中でも毎年1回開催される年会は活動の中心であり、その発表件数は年々増えており、しかも極めてレベルの高い発表が多いため、この学会で口頭発表すること自体が若手研究者の大きな目標となっています。このような活況を呈する学会は、近年では稀であり、今後もさらなる発展が強く見込まれています。

2024年度の第18回年会も、様々なケミカルバイオロジー分野のトップランナーによる招待講演、シンポジウムを企画しています。特にコロナの影響で止まっていた海外からの招待講演を復活させ、本年会では世界的なケミカルバイオロジストであるドイツマックスプランク研究所のKai Johnsson教授に講演していただくことになりました。細胞活動の履歴を知ることが出来るツールの開発という、世界最先端の研究成果を紹介していただける予定であり、若手研究者にとっても大きな刺激になることは間違いありません。もちろん例年同様、若手の優秀な研究に対する表彰を設け、活発な議論を展開できる環境も用意いたします。

参加者の皆様に活発にご議論いただき、我が国のケミカルバイオロジー研究がさらに盛り上がる機会となりますよう、実行委員一同精一杯準備を進めて参る所存です。

皆様の絶大なるご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

日本ケミカルバイオロジー学会
第18回年会
年会長 浦野 泰照
(東京大学 大学院薬学系研究科・大学院医学系研究科)

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