日本ケミカルバイオロジー学会第5回年会は、2010年5月19・20日の両日、慶応義塾大学、日吉キャンパスの協生館にて開催されました。本年会には、406名の参加者にお越しいただき、口頭発表35題とポスター発表120題の研究成果が発表・議論されました。

さて、ケミカルバイオロジーは、化学の技術・方法論を駆使し生命現象を明らかにする新学問領域であります。年々増加する参加者・発表者数に加え、アカデミアのみならず一般企業からの参加者も2割を数えるようになり、分野、所属を超えたケミカルバイオロジー研究交流の場として本学会が定着しつつあると思います。それを象徴するように、本年会では招待講演として、アカデミア、企業を交えた以下の6名の先生方にご講演いただきました。

[招待講演者] (敬称略)
梅澤一夫(慶應義塾大学理工学部応用化学科)
「阻害剤のケミカルバイオロジーから得られるNF-κBの疾患における役割」
藤原康策(第一三共(株)癌研究所)
「抗癌剤の標的としてのPPARγ −PPARγ活性化剤CS-7017による抗腫瘍活性−」
後藤俊男(理化学研究所 創薬医療技術基盤プログラム)
「タクロリムス(FK506)の発見と開発」
Young-Tae Chang(National University of Singapore)
「Luminogenomics by Diversity Oriented Fluorescence Library Approach (DOFLA)」
小竹良彦(エーザイ株式会社)
「抗腫瘍性天然物プラジエノライドの標的分子探索」
半田宏(東京工業大学)
「サリドマイド催奇性の分子機構の解明」

またポスター発表におきましては、昨年同様発表者全員にスライド1枚で発表内容を簡単に説明していただくことで、より効率よく密度の高い議論を可能にしたと思います。その中でも優秀な若手発表者にポスター賞が授与されました。受賞者は以下の通りです。

[ポスター賞受賞者] (敬称略)
岩佐江梨子(理化学研究所)
「ヒストンメチル化酵素阻害剤(+)-Chaetocinおよび類縁体の合成と構造活性相関」
斉藤毅(慶応義塾大学工学部)
「ホタル生物発光をモデルとした赤色発光基質の創製」
菅野憲(東京大学 大学院理学研究科)
「生体内のカスパーゼ活性を可視化検出する環状ルシフェラーゼの開発」

最後に、多大なるご支援・ご高配を賜りました賛助企業の関係者の方々に厚く御礼申し上げます。