第11回年会報告

日本ケミカルバイオロジー学会第11回年会は、2016年6月15日から17日の3日間、京都駅近くの京都テルサ、テルサホールにて日本細胞生物学会との合同大会として開催されました。日本ケミカルバイオロジー学会としては、合同大会を共催する初めての試みでありましたが、485名の方々にご参加いただけましたこと、厚く御礼申し上げます。
   さて、本学会も11回目を京都で迎え、学会ポスターには新しい試みとして、京都学園大の公式キャラクター「太秦その」を起用させて頂きました。京都は漫画の街としても有名です。このキャラクターは、地下鉄や市バスの中でも見かけられたと思います。本合同大会でそれぞれの学会員が一つの場に会し、共に顔を合わせて交流できたことは、二つの領域をつなぐ懸け橋となったと考えます。
   特に、細胞生物学やケミカルバイオロジーに関連する領域の研究手法の進歩は目覚ましいものがあります。エピジェネティクスやエピゲノムなど新しい概念が出現し、オプトジェネティクス、生細胞内イメージング技術など次々と新しい研究手法の開発が盛んに行われております。本学会は、学会設立当初からお金をかけないことをスローガンとして掲げておりましたが、本年会では多くの関連企業の方々からご支援、ご参加いただけたこと、感謝申し上げます。本年会が産学官の情報交換や産学連携の場として、ケミカルバイオロジー領域の学際研究を活性化する役割の一助を担えたならば幸いです。
   今回は、日本ケミカルバイオロジー学会としてPlenary LectureにCambridge大学のShankar Balasubramanian博士をお招きし、グアニン四重鎖の生物学的な役割について講演いただきました。日本細胞生物学会からStanford大学のTobias Meyer博士、大阪大学の長田重一先生のPlenary Lectureをいただきました。2日間で口頭発表43題とポスター発表101題の研究成果が発表され、活発な質疑応答と討議が行われました。また、初めての試みとして「日豪合同ケミカルバイオロジーシンポジウム」を開催し、以下の日本と豪国の5名の先生方の講演をいただきました。

[Plenary Lecture](敬称略)
・Shankar Balasubramanian(Cambridge university)
  「Chemical Biology on the Genome」
・Tobias Meyer(Stanford university)
  「How human cells decide to enter the cell cycle」
・長田重一(大阪大学免疫学フロンティア研究センター)
  「細胞表面へのフォスファチジルセリンの暴露」
[日豪合同ケミカルバイオロジーシンポジウム] (敬称略)
・Jonathan Baell (Monash university)
・Patrick M. Sexton (Monash university)
・Junken Aoki (Tohoku university)
・David Fairlie (University of Queensland)
・Masatoshi Hagiwara (Kyoto university)

恒例となったスライド1枚/1分間でのプレゼンテーションも滞りなく進み、熱気溢れる有意義なポスターディスカッションが行われました。なお、ポスター発表会場は、運営の都合上、テルサホールの廊下を利用させていただきました。そのため、説明時には大変混雑した点、申し訳ありませんでした。
   また、審査委員の先生方のご協力により、優秀な若手発表者X名にポスター賞が授与されました。さらに、英国王立化学会(RSC)からの厚いご助力によりRSCMolecularBiosystemsポスター賞を2名に授与いただきました。

[RSC MolecularBiosystems ポスター賞](敬称略)
・森和真(大阪大学大学院工学研究科)
  「PYPタグと長波長発蛍光プローブを利用したGLUT4の糖鎖機能の解明」
・遠藤瑞己(東京大学大学院理学系研究科化学専攻)
  「光依存的タンパク質間相互作用を用いた生体内における軸索誘導技術の開発」

[ポスター賞](敬称略)

・對馬理彦(東京工業大学資源化学研究所)
  「ビーズ固相表面における一電子酸化的なタンパク質修飾法の開発」
・両角明彦(東京大学大学院薬学系研究科)
  「細胞内グルタチオンの求核付加・解離平衡に基づく超解像蛍光イメージングプローブの開発」
・佐古有季哉(京都大学大学院医学研究科)
  「Duchenne型筋ジストロフィーに対する エキソンスキッピング治療薬候補化合物である新規CLK1特異的阻害剤」

最後に、多くのご支援とご高配を賜りました賛助企業の関係者の皆様に、重ねて厚く御礼を申し上げます。